少し前から「AIによって将来なくなる職業」といった特集を多く見かけます。その中に会計事務所の職員や行政職員も含まれています。その是非は別としてスピード感を持って変化していかないとあっという間に取り残されてしまうことは間違いないと思います。
【税務署ではメールも使えない!?】
行政は民間と違ってスピード感がなく、いつも後追いになってしまっています。税務行政についていえば、いまだに外部とのメールはできず、書類のやり取りはFAXか郵送です。パソコンの持ち出しも制限されており、分厚いファイルに書類をとじて調査にきています。
そのため、法律や通達などをその場で確認することができず、判断が遅くなります。セキュリティの問題はあるにしても改善してほしいと現職の時から思っていました。
【国税庁の将来像の公表】
そんな国税庁も「国税庁の将来像」と題した情報を公表しています。そこで「AIの調査での活用」を掲げています。内容としては、AIを活用して調査必要度を判定し、調査を効率化してより重要な事項(国際課税・多額の不正など)に注力したいと考えているそうです。
電子申告を奨励しておきながら、税務署ではいまだに紙で出力して確認している現状を考えるとAIの活用ができるようになったときは時代がさらに先を行っているのではないかと…
【ちょっとした変化】
遅れている税務行政ですが、6月申告分から地味な様式の改訂が行われています。「法人事業概況書」という確定申告書に添付する会社の概要を記載した書類があります。この書類は機械で読み取りデータ化され、税務調査の選定に活用されています。
決算数値のうち主要科目を記載することになっていますが、6月申告分から記載項目として「特別利益」「特別損失」が増えました。これにより臨時的な利益または損失が過去の申告事績と比べて多額である場合には、機械的に、かつ、優先的に調査先に選定される可能性が高くなります。
遅れているとはいえ、今後税務調査の手法も変化していきます。弊社も時代の変化に敏感に反応し、最高のサービスを提供していきたいと考えています。