【過去は変えられない】
弊社では国税局出身の税理士チームによる税務コンサルティングを行っており、全国の経営者様から日々、様々なご質問・お問い合わせを頂戴しています。その中にはかなりの割合で「税務調査の連絡があったのだが、いくつかの不安要素がある」というご相談があります。
さらに、より切羽詰まったケースではすでに税務調査が始まっており、その過程において税務署から想定もしていなかった多くの指摘事項が提示され、困り果ててSOSをいただくといったケースも珍しくありません。
また、税務調査に関する事項以外でも、毎期良好な利益が積みあがった結果、自社株の株価が何十倍にも高騰しているのに何の対策も取っておらず、その状態で様々な理由により相続の問題が近々に差し迫っているなどの急を要するご相談もあります。
このようにいわゆる緊急手術的な対応が必要となってしまう案件に対しても現状で出来うる限りの対策を講じるべく、お話やご提案をさせていただきますが、なかなか楽しいミーティングにはならないというのが事実です。
残念ですが過去は変えられません。変えることが出来るのは未来だけです。現在(日々)の積み重ねが未来を創るとも言えます。
税務調査の対策にしても、決算末の利益に対する対処療法的な節税対策にしても所詮は過ぎ去ってしまった取引をやむを得ずその場しのぎで何とかしようとしているにすぎません。
相続に関する税金の対策等については、なるべく考えたくない話として、多くの方が漠然とした不安を抱えながらも対応を先送りしてしまいます。
「あのときこうしておけばよかった」と後悔しても遡って過去の処理を変えることはできません。
事前に時間をかけて十分な対策をとっていれば、いざというときに慌てる必要はないのですが、その対策を怠ってきたツケが税務調査や決算の際、相続が発生してから顕在化してしまうことになります。
そのような事態を発生させないためには将来を見据え、中長期的な視点を持って税務対策を考えていく必要があります。変えることのできない過去ではなく未来のための税務対策を今から始めることが重要なのです。