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今回も、配偶者居住権について検討します。

今月は、配偶者居住権者が死亡した場合の課税関係について考えていきます。

 

配偶者居住権のスタートは、遺産分割等の手続きによりスタートすることは、何度もお伝えしたところです。

では、その権利が終わるのはどの時点なのか、考えられるケースは、配偶者居住権を取得した奥さんの亡くなった場合、配偶者居住権が不要になって他の相続人と相談してなくすこと(消滅させる)にした場合、配偶者居住権を設定したままその自宅の土地、建物を第三者へ売却した場合があると思われます。

 

共通の前提として、奥さんの持つ配偶者居住権(建物・土地合計)が1,000万円、子供がもつそれ以外の権利(土地・建物合計)が4,000万円とします。

 

<配偶者居住権の取得者の亡くなった場合>

奥さんが亡くなった時、権利関係はどうなるのでしょうか。

配偶者居住権は、取得した対象者が亡くなった時点で消滅することになります。

では、相続税の計算をする際、この配偶者居住権の扱いはどうなるのでしょうか。

 

一つ目の疑問は、民法で、明文化するほど配偶者に特別に用意された権利に相続税を課していいのかという点です。

 

二つ目の疑問は、仮に税金を課税しないとすると、亡くなった時点で奥さんから子供へ1,000万円分の経済的利益が必然的に移ることになるが、それは許されるのかという点です。

奥さんが死亡したことで子供が持つ不動産の価値が4,000万円から5,000万円に上がることは、奥さんの亡くなったことがきっかけで経済的価値が増えることになり、相続で手に入れることと同じように見えるからです。

 

執筆時点(平成31年4月18日)で、細かいルール(通達等)がきまっていないため、配偶者居住権が前提ほど高額になる得るのか疑問はありますが、居住権に価値があるということは、間違いありません。

 

相続税の世界で、亡くなった人間の財産とみなすという規定で相続税をかけるのか、消滅する権利には課税しないという民法のルールを生かすのか、今後のルールの扱いは気になる部分です。

 

次回は、奥さんが設定した、配偶者居住権が必要なくなりなり(例えば老人ホームに入るため等の理由から)、他の相続人と話し合った上でその権利を消滅させた場合の課税関係について考えたいと思います。

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