【税務上のグレーゾーン】

 

「税金として出ていく支出を抑え、できるだけ多くお金を手元に残しておきたい」。先の見通せない時代に経営者がそう考えるのは自然なことです。その思いから毎期の決算では様々な節税策を検討します。顧問税理士による税務提案だけでは到底満足できず、世の中に溢れる書籍やインターネット上の情報から使えそうな節税スキームを探すことになります。

 

そのように対処療法的な決算の利益に対する節税を最大限行っていても、すぐに翌年の決算が訪れ、また新たな対策を考えなければなりません。多くの一般的な節税策は所詮、利益の先送りに過ぎず、いつまでたっても税金のストレスから自由になることはできません。

 

一般的な節税策で満足できない場合には、さらに限界まで税コストを引き下げるため、経営者仲間やコンサルタントなどから入手した「踏み込んだ」税務対策を実行します。ところが、このように踏み込んだ税務対策には、ほとんどの場合、税務上の「グレーゾーン」が存在し、そのグレーゾーンを巡って税務当局との「見解の相違」が発生することが容易に想像されます。

 

経営者は税務調査が行われれば、この見解の相違部分について税務署ともめそうだとわかっていますので「今年は税務調査があるだろうか」といつも不安を抱えたままの状態が続きます。そして、ついに調査の連絡があった途端、眠れぬ日々を過ごすことになってしまうのです。

 

【ウルトラCの税務対策】

 

弊社にも「もっとウルトラC的な節税方法はありませんか?」というご質問をいただくことがあります。税務におけるウルトラCとは何でしょうか。それは世間一般でいう「租税回避スキーム」ということになります。

 

租税回避行為とは①現行の法律が想定していない形式を利用し、②通常は行われないような合理性のない取引形態を用いて、③税負担を最小化させようとするもの、と説明されています。税金の世界にも「租税法律主義」という考え方があり、これは法律の定めがなければ課税されることはないという大原則ですが、そうすると現行の法律が想定していない(つまり違法とは規定されていない)取引を利用した租税回避行為は、結果として合法ということになります。

 

税法が規定していない、法の網の目をくぐった一種の奇策・ウルトラCの節税に対し、税務当局はどのように対抗するのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

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