弊社では法人と個人を一体として考えた税務対策をサービスの基本と考えており、会社の法人税だけにとどまらず、オーナー社長の所得税、相続税、自社株対策に関するご相談を数多くいただいています。

 

その中で、相続に関しては「相続税対策」の前段階として、いかにしてもめないように財産を分けるのかという「遺産分割対策」の検討も大きなウェートを占めます。相続発生後に相続人同士が争うことのないよう、円満に財産分割を行うための方法を事前に考えていくわけですが、私達の仕事の中でも、この争いなく財産を承継していくためのコンサルティングほど難しいこともないように感じています。

 

【なぜ相続のコンサルは難しいのか】

毎期の法人税、所得税、消費税、国際税務等の節税対策は法に照らし合わせ知識と知恵を総動員してスキームを考え抜けば、いつかは最適な答えを導き出すことが可能です。しかし、相続税について最善の策を考えることは容易ではありません。

 

相続の問題が難しい理由は、そこに人間の感情が入り込むからです。

 

納税額を最小化するための方法を考えることは容易いかもしれませんが、関係者が心から納得できるものでなければ将来に禍根を残してしまいます。仮に納める税額は多くなったとしても、家族が永続的に仲良く過ごして行ける方法のほうが良い選択となるかもしれません。節税を最優先した対策が最良の対策とは限らないのです。

 

実際に相続人の気持ちを深く考えず相続税対策を行った結果、親子・兄弟が骨肉の争いを続けることになってしまった例を数えきれないほど目にしています。

 

本来は、争いになるかもしれない(現在は大丈夫だと楽観していても将来はわからない)可能性を考慮して、そのようなことが起こらないよう時間をかけて話し合い、対策を考えていくべきなのですが、実際はもめてしまってから対応に苦慮することがほとんどです。一度もつれてしまった糸を解きほぐすのは容易ではありません。

 

 

 

 

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